シップの選び方
シップとは?
国語辞典には、
① 治癒の促進、症状悪化の防止、苦痛の緩和などの目的で、患部に湿った布をあてる治療法。また、その布。タオルやガーゼを湯や冷水、薬液などに浸して用いる。湿罨法(しつあんぽう)。
※金毘羅(1909)〈森鴎外〉「胸部に湿布がしてあるのを、乾けば取り換へる」
② 炎症を鎮めるための薬品。布やガーゼなどに塗るなどして患部に直接当てる。また、その薬品を油性成分と混ぜて布類にあらかじめ塗り、粘着性をもたせたもの。湿布薬。パップ剤。湿布剤。
※出典 精選版 日本国語大辞典
と定義されています。
一般的に市販されており医薬品に分類される薬品名は、『経皮吸収型 鎮痛・抗炎症剤』と言い、その名の通り、シップに含まれる薬用成分を皮膚から浸透させて、痛みや炎症を抑えることを目的として使用します。
湿布は何に効く?
では、どのような場合にシップは有効なのか?
主に医薬品としてのシップには、ロキソプロフェンやケトプロフェンのどちらかが含まれており、これらは実際に患部が炎症を起こしているような、打撲や捻挫、肉離れ、筋肉痛などに有効です。
ロキソプロフェンが良いのか、ケトプロフェンが良いのかは使用する方によって個人差がありますので、どちらかご自身にとって良いものをお選びください。
湿布の種類と特徴
『経皮吸収型 鎮痛・消炎剤』としてのシップには、”パップ剤”と”テープ剤”2種類があります。
パップ剤
貼るとひんやりして気持ちよく、剥がれやすいので被れにくい。推奨される使用部位は、肩、背中、腰など、動きが少なく広いところ。
テープ剤
粘着力が強く剥がれにくいので、関節などの多く可動する部分に使うことが推奨される。色がベージュなので、パップ剤に比べて貼っても目立たない。
冷感か温感か?
またシップには冷感、温感の2種類があり、冷感のものはメントールが含まれており、熱をもった患部に貼るとひんやりとした感じが心地よく感じられ、温感のものはトウガラシ成分のカプサイシンが含まれており、貼った部分が温かく感じられます。
ただし、どちらも体表面の温度に少し変化があるだけで、芯から冷やしたり温めたりする効果は期待できませんので、貼った時に『気持ち良い』かどうかで選びましょう。
傷病別のおすすめシップ
以下にケガ別にシップの選択例を目安としてご紹介しますが、シップの効果効能や肌に合うか合わないかは個人差がありますので、判断に迷ったり、使ってみて何か異常(肌荒れなど)があった場合は、速やかにかかりつけの医師か、薬剤師さんにご相談くださいませ。
足首の捻挫
→日中はテープ剤、就寝中はパップ剤で急性期は冷感のもので、急性期を過ぎたら冷感でも温感でも貼っていて心地よいものを。
急性腰痛
→基本的には日中も就寝中もパップ剤で冷感のものを。パップ剤のにおいが気になる場合は、テープ剤であまりにおいのしないものを選択するのもあり。
慢性腰痛
→基本的にはパップ剤で冷感でも温感でも貼り心地の良いものを。パップ剤のにおいが気になる場合は、テープ剤であまりにおいのしないものを選択するのもあり。
四十肩・五十肩
→基本的に日中も就寝中もテープ剤がおすすめ。冷感か温感かはお好みで。
首の寝違え
→日中はパップ剤で就寝中はテープ剤がおすすめ。冷感か温感かはお好みで。
ゴルフ肘・バックハンドテニス肘(外側上顆炎)
→基本的に日中も就寝中もテープ剤がおすすめ。冷感か温感かはお好みで。
テニス肘(内側上顆炎)
→基本的に日中も就寝中もテープ剤がおすすめ。冷感か温感かはお好みで。
関節リウマチ
→ケトプロフェンかロキソプロフェンを含むテープ剤がおすすめ。